値上げ交渉のヒント

1. はじめに

 これといった付加価値がない商材を取り扱っている会社が値上交渉をする時こそ、自社の付加価値サービスを見直すときです。ゴールは、「あそこは少し高いが、あのサービスや信頼は他のところにはできない」です。

2. 某企業の実例

(1)値上の根拠を数値化する
 これは客先に「仕入れの値上げと物流コスト上昇で利益がどの程度減少しているか」を数値で示します。本当に厳しい数値だと先方に理解してもらうことが目的です。
(2)先方が納得する付加価値を提示する
 ここで言う付加価値とは、
 ①納期に工夫を出す
 ②人員配置を工夫する
 ③アフターサービスの充実
 ④情報提供等、先方のプラスになることを提案する
(3)先方の泣き所を調べ提案する
 営業マンに任せるだけではなく、全社的に取り組む。総論は先方もわかっているので逆効果です。社長の意向を聞くだけでも評価されます。

3. むすびにかえて

 ランプ関税で、日本の輸出企業に対する消費税の還付が輸出補助金に当たるとして問題になっています。以前より我々の業界でも問題視された消費税ですので、税率の引き下げ等を含めて注目されるところです。今やインフレの時代、価格の決定は10プの第一の仕事です。中小企業は(2)の充実で非価格競争をするのがランチェスター戦略の弱者の戦法です。値下げは中堅企業以上の強者の打つ手であることを忘れないようにしましょう。