8月10日の日経新聞に、表題の税務判決の記事が掲載されていました。みずほ銀行が提案したスキームに対し、大阪地裁が国側の主張を認め、行為計算の否認を妥当とする判決を下したニュースです。
この判決は、M&A・グループ再編・事業承継を検討する社長にとって重要な示唆を含んでいます。裁判での争点は、組織再編に事業上の合理的な理由があったかどうか、でした。
(1) 形式 (法律) に準拠していても否認される 形式要件を満足していても、国税は実質的に節税だけが目的ではないかという視点で調査する。
(2) 銀行の提案だからと安心できぬ メガバンクの提案パッケージでも、課税庁や裁判所からは過度な節税策と判断される時代になった。
(1) 経済的合理性がない節税はリスク大 赤字を通算できるという理由だけで組織再編すると、後で否認されるリスクが極めて高まった。事業の成長、業務効率化等、本業の理由が必要。
(2) 支配関係の長短や適格用件だけでは安心できない 今までは、長年グループ会社だったから大丈夫と思われていたケースでも、法人税法の行為計算の否認規定が広く適用されるリスクが高まった。
(3) プロジェクト計画の段階から記録が不可欠 なぜ再編を行うのか、どのようなシナジー効果が現れるのか等を、取締役会の議事録や事業計画書に記録化しておくことが極めて重要。後日の税務調査において最大の防衛対策となる。
節税自体は経営上の重要戦略ですが、節税には銭儲けの節税と銭失いの節税があるので、明確に区別しておかなければなりません。
先月もメガバンクが提案してきた大型マンションの贈与税の否認事例がありました。3年前から大型否認案件が続いていますので、要注意です。
筆者は、節税対策だけではなく、納税資金対策も考えておくべき時代に入ったと考えています。
1. はじめに
8月10日の日経新聞に、表題の税務判決の記事が掲載されていました。みずほ銀行が提案したスキームに対し、大阪地裁が国側の主張を認め、行為計算の否認を妥当とする判決を下したニュースです。
2. 何が問題視されたのか?
この判決は、M&A・グループ再編・事業承継を検討する社長にとって重要な示唆を含んでいます。裁判での争点は、組織再編に事業上の合理的な理由があったかどうか、でした。
(1) 形式 (法律) に準拠していても否認される
形式要件を満足していても、国税は実質的に節税だけが目的ではないかという視点で調査する。
(2) 銀行の提案だからと安心できぬ
メガバンクの提案パッケージでも、課税庁や裁判所からは過度な節税策と判断される時代になった。
3. 社長が押さえておくべきポイント
(1) 経済的合理性がない節税はリスク大
赤字を通算できるという理由だけで組織再編すると、後で否認されるリスクが極めて高まった。事業の成長、業務効率化等、本業の理由が必要。
(2) 支配関係の長短や適格用件だけでは安心できない
今までは、長年グループ会社だったから大丈夫と思われていたケースでも、法人税法の行為計算の否認規定が広く適用されるリスクが高まった。
(3) プロジェクト計画の段階から記録が不可欠
なぜ再編を行うのか、どのようなシナジー効果が現れるのか等を、取締役会の議事録や事業計画書に記録化しておくことが極めて重要。後日の税務調査において最大の防衛対策となる。
4. むすびにかえて
節税自体は経営上の重要戦略ですが、節税には銭儲けの節税と銭失いの節税があるので、明確に区別しておかなければなりません。
先月もメガバンクが提案してきた大型マンションの贈与税の否認事例がありました。3年前から大型否認案件が続いていますので、要注意です。
筆者は、節税対策だけではなく、納税資金対策も考えておくべき時代に入ったと考えています。