最近の選挙で、与党が参議院でも過半数を割る結果となりました。各政党の公約を見ても、減税や給付金の話ばかりで、日本という国がどんな未来を目指していくのか、はっきりとしたビジョンは見えてきませんでした。ちょうど同じ日に奈良市でも選挙が行われていたのですが、そちらも似たような印象を受けました。今の日本は内向きになっているように感じて、少し心配になったのです。 私たちの暮らしにも密接に関わる「国のあり方」について、普段から感じていることを少しお話ししたいと思います。
「自立自尊」という言葉をご存じでしょうか?自分の力で立ち、自分自身を大切にするという意味です。明治時代、日本が一流の国を目指していたころ、多くの人が福沢諭吉の『学問のすすめ』を読んで、自立した生き方を志しました。当時の大人の5人に1人がこの本を手にしたとも言われています。 2025年は終戦から80年の節目の年です。それにもかかわらず、日本がアメリカに対してあまりにも遠慮がちな対応をしていることに、私はもどかしさを感じます。特に、最近の関税問題などでは、日本の立場をしっかりと主張できていないように見えます。 アメリカに対して過度に気を遣う姿勢は、かつての韓国が中国に対してしていた「朝貢外交」と重なるようにも見えます。国の誇りを守るためには、たとえ相手が大国であっても、自分の意見をしっかり伝えることが大切だと思うのです。
戦後の日本は、アメリカとの関係に強く依存してきました。冷戦の時代にはその必要もありましたが、その後はむしろアメリカに振り回されてきたようにも感じます。たとえば、アメリカから出される「年次改革要望書」に従って行ってきた改革の多くが、日本経済を弱体化させる結果となってしまいました。 アングロ・サクソン系の国々(アメリカやイギリスなど)は、国の利益のためならルールも変えるし、約束も破るという現実的な判断をする国です。日本人のように「正直で誠実なやり方が通じる」と思っていては、世界では通用しないこともあります。 私は、日本がもっと世界の中で存在感を持つためには、「道州制」のように国の仕組みを見直すことも一つの方法だと思います。たとえば、外交や安全保障は国が責任を持ち、それ以外の教育や福祉、インフラ整備などは地方に任せるようにすることで、地域ごとのニーズに合わせたきめ細やかな行政が可能になるのではないでしょうか。 また、消費税についても、中央ではなく地方に財源を移していけば、地域の発展に直接つながるようなお金の使い方ができるようになるはずです。
ここ数十年、日本では新しい技術や価値を生み出す「イノベーション(革新)」がなかなか起こらなくなってしまいました。その背景には、短期的な利益だけを重視する企業経営や、リスクを避けたがる風潮があるように思います。 また、少子化も大きな問題です。単に働き手が減るというだけでなく、「自分の一生よりも先の未来のことを考えにくくなる」というのが、本当の意味でのリスクです。 だからこそ、民間では手を出しにくいような、長期的な視点に立った投資や取り組みを、国が担うべきだと思います。これからの日本には、新しいエネルギーや技術分野で、次の時代を担うような産業が必要です。 たとえば、宇宙開発や安全保障につながる技術の分野で、日本ならではの強みを活かす取り組みができれば、世界の中でも信頼される存在になれるのではないでしょうか。
最後に、私が一番大切だと考えているのは「教育」です。 自分の国を守れない国は、外交でも弱気になり、国民の誇りを失いやすくなります。イギリスの歴史学者トインビーは、「歴史を忘れた民族は滅びる」と言っています。まさにその通りだと思います。 教育の目的は、自立した人間を育てること、そして世界で通用する力をつけることです。ポピュリズム(大衆迎合)による政治の混乱を避けるためにも、国民一人ひとりが考える力をつけることが必要です。 明治時代の日本が大きく変われたのも、江戸時代から高い識字率を誇っていたからです。戦後の復興が成功したのも、しっかりとした教育制度があったからこそ。今こそ、伝統を大切にしながらも、時代に合わせた教育の見直しが必要だと感じています。
今の日本は、世界の中で控えめで、時には遠慮しすぎる傾向があるように思います。でも、一歩国外に出れば、「強いものが正しい」という考え方が当たり前の世界です。だからこそ、私たち日本人が自信と誇りを持ち、正しいことには「イエス」、間違っていることには「ノー」とはっきり言えるような国になっていく必要があります。 私たち一人ひとりが、今の日本のあり方について考えることが、次の時代をつくる第一歩なのではないでしょうか。
最近の選挙で、与党が参議院でも過半数を割る結果となりました。各政党の公約を見ても、減税や給付金の話ばかりで、日本という国がどんな未来を目指していくのか、はっきりとしたビジョンは見えてきませんでした。ちょうど同じ日に奈良市でも選挙が行われていたのですが、そちらも似たような印象を受けました。今の日本は内向きになっているように感じて、少し心配になったのです。
私たちの暮らしにも密接に関わる「国のあり方」について、普段から感じていることを少しお話ししたいと思います。
「自立自尊」という生き方
「自立自尊」という言葉をご存じでしょうか?自分の力で立ち、自分自身を大切にするという意味です。明治時代、日本が一流の国を目指していたころ、多くの人が福沢諭吉の『学問のすすめ』を読んで、自立した生き方を志しました。当時の大人の5人に1人がこの本を手にしたとも言われています。
2025年は終戦から80年の節目の年です。それにもかかわらず、日本がアメリカに対してあまりにも遠慮がちな対応をしていることに、私はもどかしさを感じます。特に、最近の関税問題などでは、日本の立場をしっかりと主張できていないように見えます。
アメリカに対して過度に気を遣う姿勢は、かつての韓国が中国に対してしていた「朝貢外交」と重なるようにも見えます。国の誇りを守るためには、たとえ相手が大国であっても、自分の意見をしっかり伝えることが大切だと思うのです。
外交と安全保障について思うこと
戦後の日本は、アメリカとの関係に強く依存してきました。冷戦の時代にはその必要もありましたが、その後はむしろアメリカに振り回されてきたようにも感じます。たとえば、アメリカから出される「年次改革要望書」に従って行ってきた改革の多くが、日本経済を弱体化させる結果となってしまいました。
アングロ・サクソン系の国々(アメリカやイギリスなど)は、国の利益のためならルールも変えるし、約束も破るという現実的な判断をする国です。日本人のように「正直で誠実なやり方が通じる」と思っていては、世界では通用しないこともあります。
私は、日本がもっと世界の中で存在感を持つためには、「道州制」のように国の仕組みを見直すことも一つの方法だと思います。たとえば、外交や安全保障は国が責任を持ち、それ以外の教育や福祉、インフラ整備などは地方に任せるようにすることで、地域ごとのニーズに合わせたきめ細やかな行政が可能になるのではないでしょうか。
また、消費税についても、中央ではなく地方に財源を移していけば、地域の発展に直接つながるようなお金の使い方ができるようになるはずです。
新しい時代のために必要な「イノベーション」
ここ数十年、日本では新しい技術や価値を生み出す「イノベーション(革新)」がなかなか起こらなくなってしまいました。その背景には、短期的な利益だけを重視する企業経営や、リスクを避けたがる風潮があるように思います。
また、少子化も大きな問題です。単に働き手が減るというだけでなく、「自分の一生よりも先の未来のことを考えにくくなる」というのが、本当の意味でのリスクです。
だからこそ、民間では手を出しにくいような、長期的な視点に立った投資や取り組みを、国が担うべきだと思います。これからの日本には、新しいエネルギーや技術分野で、次の時代を担うような産業が必要です。
たとえば、宇宙開発や安全保障につながる技術の分野で、日本ならではの強みを活かす取り組みができれば、世界の中でも信頼される存在になれるのではないでしょうか。
教育の力を信じて
最後に、私が一番大切だと考えているのは「教育」です。
自分の国を守れない国は、外交でも弱気になり、国民の誇りを失いやすくなります。イギリスの歴史学者トインビーは、「歴史を忘れた民族は滅びる」と言っています。まさにその通りだと思います。
教育の目的は、自立した人間を育てること、そして世界で通用する力をつけることです。ポピュリズム(大衆迎合)による政治の混乱を避けるためにも、国民一人ひとりが考える力をつけることが必要です。
明治時代の日本が大きく変われたのも、江戸時代から高い識字率を誇っていたからです。戦後の復興が成功したのも、しっかりとした教育制度があったからこそ。今こそ、伝統を大切にしながらも、時代に合わせた教育の見直しが必要だと感じています。
おわりに
今の日本は、世界の中で控えめで、時には遠慮しすぎる傾向があるように思います。でも、一歩国外に出れば、「強いものが正しい」という考え方が当たり前の世界です。だからこそ、私たち日本人が自信と誇りを持ち、正しいことには「イエス」、間違っていることには「ノー」とはっきり言えるような国になっていく必要があります。
私たち一人ひとりが、今の日本のあり方について考えることが、次の時代をつくる第一歩なのではないでしょうか。