ここで注目してほしいのは、最初の金利の支払い日から10年目の120カ月の状態で、最初の10年で金利の半分近くを支払っていることになります。10年以降になると元金が減少していくので金利の支払いも減少する為です。これは借入をして最初の10年を低金利で切り抜ければ、固定金利よりも変動金利の方が有利になる確率が高いことになります。10年後であれば元本も減っており、繰り上げ返済も検討できるからです。ただし、次の方は固定金利型を選択しておくことをお勧めします。
① 自営業者や法人の役員 (景気の波で年収が大きく変動するリスク)
② 借入総額が年収の7倍を超える過大な借入を検討している方 (普通の借入総額は年収の5~6倍の範囲)
また、夫婦で借りるペアローンも、ローン期間35年を考えるとやめておいた方が良いでしょう。サラリーマンの方でもボーナス返済は破綻の原因となり、家族の分裂にもつながりますのでやめておくべきです。
4.結論
お客様から「関さんならどうしますか?」と尋ねられたら、私は「変動金利型を選択する」と答えると思います。理由は以下の通りです。
① 最初の10年で有利不利が決まる。
② 金利は日銀の政策金利で決まる。向こう10年で日本の景気が物価と賃金の好循環型経済に移行するとは考えにくい。
③ 借入するときは頭金は入れずに満額ローンにしておき、頭金相当額は別途運用して金利以上の商品を購入し、利上げのリスクに備える。
1.はじめに
インフレ基調になったせいか、「息子夫婦は、今まで勤務している病院近くのマンションを借りていたが、新築は高くなっているので、駅近の優良中古物件を購入しリニューアルして住まわせたいと思っている。その場合の住宅ローンは、変動型か固定型か、どちらを選択したらよいのか?」等の質問が増えています。特に住宅ローンは返済期間が35年と長期に渡るので、返済期間が終了しないと判定はできませんが、基本となる考え方がありますので、ご紹介します。
2.金利シミュレーション
現在、変動金利を選択している人が74.5%、固定金利は18.3%と、変動型が圧倒的に多く選択されています。元本3500万円、期間35年のローンを固定型 (1.8%) で借り入れた時の毎月の返済額は約11万円となります。これを変動型 (0.5%) で借り入れた場合の返済額は約9万円となり、月々2万円の差となります。支払総額では2万円×12カ月×35年=840万円、と1000万円近くとなり、借入申込者の3/4近くが変動型を選択している理由がこれでわかります。
3.どちらが有利か?
住宅ローンの特徴はローン期間が長いことにあります。返済の方法に元利均等と元金均等がありますが、期間の利益が得られる元利均等型を選択しましょう。インフレが続くこれからの時代に有利だからです。
72の法則を覚えていますか?2%のインフレ率が続くとすると、72÷2=36年で、借りたお金は3500万円の半額になります。35年間元利均等型のローンを借りた場合の金利の支払いは次の図のようになります。
ここで注目してほしいのは、最初の金利の支払い日から10年目の120カ月の状態で、最初の10年で金利の半分近くを支払っていることになります。10年以降になると元金が減少していくので金利の支払いも減少する為です。これは借入をして最初の10年を低金利で切り抜ければ、固定金利よりも変動金利の方が有利になる確率が高いことになります。10年後であれば元本も減っており、繰り上げ返済も検討できるからです。ただし、次の方は固定金利型を選択しておくことをお勧めします。
① 自営業者や法人の役員 (景気の波で年収が大きく変動するリスク)
② 借入総額が年収の7倍を超える過大な借入を検討している方 (普通の借入総額は年収の5~6倍の範囲)
また、夫婦で借りるペアローンも、ローン期間35年を考えるとやめておいた方が良いでしょう。サラリーマンの方でもボーナス返済は破綻の原因となり、家族の分裂にもつながりますのでやめておくべきです。
4.結論
お客様から「関さんならどうしますか?」と尋ねられたら、私は「変動金利型を選択する」と答えると思います。理由は以下の通りです。
① 最初の10年で有利不利が決まる。
② 金利は日銀の政策金利で決まる。向こう10年で日本の景気が物価と賃金の好循環型経済に移行するとは考えにくい。
③ 借入するときは頭金は入れずに満額ローンにしておき、頭金相当額は別途運用して金利以上の商品を購入し、利上げのリスクに備える。
最後に、これから35年間の金利の動向など誰にもわかりませんので、安心を買いたい人は固定金利を選択しておく方が無難だと思います。ご参考になれば幸いです。